デジタル染色の最先端見本市 上海TEXレポート

HappyFabricは、これまで個人ではなかなか作れなかったデジタルプリントの布を、1mから一番手軽に頼めるサービスを目指しています。
これまでは大ロットしか頼めなかったり、見積もりも不明瞭だったりする中で、1mからWEBならではの明瞭な金額提示と注文後に4日で出荷する手軽さでお客様から評価されています。

そんなデジタル染色によるデジタルファブリックの最先端を見るために、2017年11月27〜30日まで中国の上海で行われた繊維機械の展示会”上海TEX”にいってきました。

上海TEXとは

上海TEXは世界中の繊維にまつわる総合展示会です。
会場はとても広く、染色だけでなく、織物や編み物、刺繍などすべての繊維業界の機械を見ることができます。

Home – The 18th International Exhibition on Textile Industry


会場はかなり広く、ジャンルごとに会場が分かれています。今回は2日間に渡って見てきました。

 

会場に入ってすぐの場所には超幅広の織物が作れる織り機があり、この糸を通す作業だけで何時間かかるんだろうと思ってしまう織機もありました。

プリンターは大型・高速の時代へ

ここ数年はこれまでの小型機ではなく、大きくて高速な機械の展示が増えています。
いわゆるワンパス機と言われる一度の印刷で重ねることなく印刷できる機械で1台も数千万から億を超えるものも多く展示されています。
大きくて早い機械はこれまでの染色をそのままデジタルに置き換える用途として年々機械の精度も上がり、アウトドアブランドやアパレルでもどんどん採用されるようになってきています。
ヨーロッパは大型機が多く、日本は小型から中型機の台数が圧倒的に多く、お国柄が出ています。

日本のメーカーとしてはミマキエンジニアリングのTigerやコニカミノルタのNASSENGERも並んでいます。

他にも海外勢も大型の染色機が目に付きますが日本のメーカーでは、ユニークで意欲的な機械も出展していました。
世界中の捺染機メーカーの東伸工業さんはシルクスクリーン捺染機とインクジェットを組み合わせた機械を出していました。単色の濃色の濃さが得意なシルクスクリーン印刷とフルカラーのインクジェットのいいところを組み合わせた機械でインクジェットでは苦労する弱点を克服します。

黒いベタの部分はシルク印刷でぴったりと位置もあっていてとてもユニークです。

もちろん海外メーカーもシェアの高いMSやEFI Reggiani、Atexcoも出展しており、AtexcoはVRで機械を見学できる企画もやっていました。

他にも面白いインクジェット機が並ぶ

そんな上海TEXは大型機だけでなく、ちょっと風変わりな機械も並んでいます。

例えばこれは靴下を筒に巻いてそのままインクジェットして染色するプリンターで、1分くらいで片足の印刷が完了します。
ポリエステルも綿もできるようで、ちょっと欲しくなります。

ミマキのブルーライトで光る蛍光インクも面白いですね。

日本メーカーのブラザーやEPSONも大きいブースで展示されていて、特にエプソンはテキスタイルプリンターにも力を入れてきているのでとても気になります。

中国の捺染工場も見学してきました

展示会を見学した後は中国の捺染工場をいくつか回りました。

日本では地域で分業制になるところも多いのですが、中国では自社の中で織物から印刷用の加工、プリント、後加工まで一気通貫でやることが多く、工場の広さに圧倒されました。

生地についても50m、100mや200mではなく、数千mの巻きのまま加工しています。

そのため小ロットや短納期での対応は難しいのですが、量の多いものは得意です。

まだまだ繊維産業が国の中の基幹産業だなと感じますが、最近ではデジタルプリントを取り入れる会社もまだ少ないようですが増えてきているようです。

世界中でも広がるデジタルテキスタイル

世界中の布印刷の中でデジタルプリントはここ数年急激に伸びてきて、2017年は6%程度に増えてきたようです。
中国でもデジタルテキスタイルは伸びていて、自社ブランドの生地にデジタルを採用する事例も増えてきました。
実際に日本で購入できる生地のサイトの中には、ユーザーにはあまり意識させてはいませんが、中国製造の会社もあります。

HappyFabricは日本製で、自社製造のデジタル染色で製造しております。

最近ではメートル数の多い生地の相談やHappyFabricにない生地のお問い合わせもいただくことも増えました。HappyFabric for BIZとしては、ポリエステルや綿などの素材によって工場を変えたり、顔料や染料などによっても製造設備を変えています。

まだまだ広がっていないデジタル染色を手がける日本の染色工場が集まってより魅力的なデジタルファブリックをお届けできるように新しい企画を進めていきたいとおもっています。

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