プロジェクトメンバー座談会 #1:HappyFabricの今後へかける想い

HappyFabricのサービススタートから1年半以上経過しました。

今年の初めにはサイトを大幅リニューアルし、またデジタルアーカイブを活用した立命館型紙プロジェクトも始動しました。

登録デザインも3,000件へ到達する!というこのタイミングに、プロジェクトチームメンバーでHappyFabricのこれまでとこれからについて語りあいました。

新しい布の世界を皆さんに楽しんでもらうには、まだまだサービスの改善や、イベントの企画などやることは盛りだくさんですが、少しずつ歩を進めていきますので、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

 

この機に、初期に実施したサービスへ懸ける想いをまとめたインタビューも、本ブログ上に収録しました。

こちらもあわせてHappyFabricの歩みを皆さんに知っていただければとてもうれしいです。


HappyFabricをスタートした時の想い

熊谷:改めてHappyFabricをスタートした時の想いと、今どう考えているか教えてもらえますか?

堀江:サービスを始めた当初は、技術が進んで誰でもデジタルプリントで布を作ることができるようになったけれど、実は皆ができるわけじゃない、だから工場へオーダーする代わりにHappyFabricを使ってほしいなと思って始めました。やっぱりテキスタイルを作りたい人は多いけれど、仕事になっている人は少ないし、なかなか本業にはならない。その理由は市場がないからなのか、まだわからないんですが。だから、まずは個人のクリエイターが布を作って売るという市場を作りたいなと思っています。デザイン数1,000件突破時にはキャンペーンもやりましたが、もうじき3,000件にも到達しそうなので力を入れていきたいですね。

デザイン数の伸び率も悪くないけれど、思ったより時間がかかっていますね。でも想像以上にすてきなデザインが集まってきているので楽しみです。

杉原:最初集まってきたデザインは、セミプロの人のものか、完全に初めてデザインする人のものかと両極端でした。今は、徐々に布のデザインに興味を持ってくれている幅広い層へ広がりつつあるのかなと思います。プロとアマチュアの間の中間層にも届きだした感じがします。

 

特別な布を届けていきたい。

熊谷:杉原さんはデザイナーでありながら、一番デジタルなものづくりもしていて、HappyFabricのユーザー層と近い意見を持っていると思いますが、反響などありますか?

杉原:もう少し色々な層へ届けるには、もっとがんばらないといけないと思ってます。Facebookなどで広報に力をいれ始めてからよい方向へ変わってきてるとは思いますが。

先日久しぶりにものづくりの施設が集まる場に参加したら「がんばってるね、一緒に何かできたらいいね。」と言ってもらえました。でもまだ具体的には動かないので、もっと工夫していきたいです。

熊谷:具体的にやりたいことなどありますか?

杉原:正解はないと思いますが、色々なイベントをやっていきたいなと思います。例えば親子の方を対象に、お子さんとパターン柄を作るとか、パソコンを使わない方法をやってみるとか。他にもイラストレーターのソフトを使って、一緒にデザインしてみるとか。

もしかしたら、ミシンメーカーさんのような協賛企業を見つけて、一緒にものを作ってみるというようなアプローチもいいかもしれないと思います。色々な方向性を探っていきたいですね。

杉原:HappyFabricのサービスが提供してるものは布としては高価なほうです。だからこそ、特別なものとして購入してもらえるようにしたいですね。例えばお子さんの絵とか、自分の絵が布になるというような。

自分のデザイン以外でも、ここでしか買えない著名な人のデザインを提供するとか、すてきな油彩画や水彩画を描く人の絵を手に入れられるとか、付加価値があるといいなと思います。

 

クリエイターを支援したい

堀江:今後はブログでもとりあげたさくらスリングさんのようなクリエイターを応援したいですよね。

地藏:想像もつかなかった使い方をしてくれるクリエイターさんとつながるのはうれしいですね。そういう人をもっと発掘したい。日本は文化度も高いし、クリエイター予備軍は多いと思います。だから、そことのコラボレーションを目指していきたいですね。

熊谷:産業構造の変化を目指したいと前回のインタビューではありましたが、その手前にクリエイター支援やコラボレーション企画が必要な気がしています。商品化して、プロになる一歩手前の人にアプローチする方法を考えたいですね。クリエイター支援プロジェクトはなるべく早く、HappyFabricの大事な軸としていきたいところです。

藤本:サイトの改善として、今ブランドページ、特集ページと呼んでいるものを設計しました。ブランドページは立命館大学のプロジェクトのように、特定の団体やブランドのデザインを集めてして見せることができ、特集ページでは、あるキーワードでタグ付けしたものを一覧できるようにし、場合によってはランキング表示もできるようになりました。

こういう機能を実装したことで、クリエイターを支援してそのデザインを集めて見せるようなことも簡単になってきました。だからこそ、顧客情報を分析し、クリエイターの背景を分析して応援していくことが大事になってきたと思います。ユーザーの中に相当数いると考えられる、販売サイトなどでブランド展開している人を、もっと発掘応援していきたいですね。

伊藤:ものづくりのレベルには、何も作っていなかったけど作り始めるという0から1へ進める人と、既に作っていたものの数を少し増やして個人的に販売したいという、1から10へ進める人がいる。その先に、プロとして沢山販売していきたいという、1から100へジャンプする人がいる。そこを見極めていくのが大事ですね。ビジネスとしては、ものを作る数を1から10へ、10から100へとつなげていってもらえると発展性があります。

熊谷:一方で、ものづくりを始める段階、0から1へ進むときにはとても感動があります。

お子さんの絵を布にしてみるとか、それは大事にしたいですね。0-1の感動を大事にし、10-100へジャンプする人のビジネスも応援する。その双方ができることを、HappyFabricの強みとして出していきたいですね。

伊藤:スペシャルなものづくり体験をしてもらえると、本当に喜んでいただけるからうれしいですよね。

 

繊維産業へ新風を吹かせたい:立命館大学との伊勢型紙プロジェクト

堀江:昨年は立命館大学の伊勢型紙のデジタルアーカイブプロジェクトとコラボできたので、もっとメーカーのアーカイブなどとコラボし、繊維産業に新風をいれたいですね。

デザインはこちらから→https://happyfabric.me/brand/ritsumeikan_isekatagami

 

地藏:質の高いものがそろっている安心感があることと、実際に出来上がったものも手に入るようになるというゴールもあるんじゃないかと思います。完全オリジナルの宝物が手に入るのは楽しいし。そういった良質なものを求めている、感度の高いお客さまにも届けられるといいなと思います。

伊藤:今はすてきな作家に届いている段階ですもんね。次はすてきなお客様にご購入していただきたいですね。

藤本:とはいえ、現実的にクリエイターのみなさんが楽しんで布を購入してくれているので、そこを大事にサービスを改善したいですね。

地藏:こういうサービスにはロマンとそろばんがいりますね!

伊勢型紙プロジェクトは伝統産業の蓄積を、デジタルサービスとして利用可能にしたという点で革命的だと思いますよ!

堀江:HappyFabricの布は、自分以外のデザインのものでも販売用に活用できるんだよとか、ライセンスの話ももっと伝えていきたいですね。他のデジタルアーカイブとのコラボも含め、地道に良い反響を得られるよう努力していきたです。

 

今後への想い

熊谷:最後に一言ずつお願いします。

伊藤:トライアンドエラーで色々展開しながら、進めていきたいですね。どんどんお客様の層が増えるといいですね。

杉原:ウェブサービスをフックに、色々な人に布のデザインができる面白さを伝えて、出会っていきたいですね。お店(HappyPrinters)では会えない層に会うためにもっと出かけたい。私が最初にやりたいと思って始めたサービスでもあるので、シンパシーを感じる人をもっと巻き込んで、層を厚くするために進めたいですね。

藤本:デジタルプリントというものに可能性を感じています。システムでお手伝いしているので、お客さんに合ったシステムを開発して、ビジネスとして発展させたいです。お客さんの欲しいものをちゃんと届け、Happyになるようなしくみを創りたいですね。メインのお客さんは変わっていくかもしれないから、変化にあわせて一番いいサービスを提供していきたいです。

地藏:堀江さんから話を最初に聞いた時はどうしようかと思ったけど。何年も前からやりたいと言っていたサービスだったし、産業の構造が変わるタイミングだろうから面白いと思っています。システムの内側外側から見て、業界の変化や切り口が変わる様子を見極め、お客さんを見てサービスを作っていきたい。

熊谷:立命館大学とのコラボレーションなど、とても先進的だと思います。まだまだ手芸のユーザーだけではない、おもしろいクリエイターとコラボする可能性もあると思うので、どんどん届けていきたいですね。

堀江:オリジナルファブリックで何かをやりたい人がこんなにいて、もうやれない時代じゃない。まだ市場は小さいですが、もっとうまく設計して皆さんに届けたいです。日本から世界へ届けたいと思っています。感性で物を作れるといいなと思います。

2017年5月某日収録


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