HappyFabricでは新年一発目の企画として、新春らしくおめでたい伝統柄を様々なアイテムにプリントできるというワークショップ、その名も「カタガミラボ」を開催しました。日本橋三越さんのジャパンテクノロジーという企画の一環です。
ご用意したのは20種類の柄。ここにアパレル業界で使われるプロ向けソフトを使い自由に彩色していき、お好きなアイテムにプリントしていただくという企画です。
写真のスカーフやバッグのように、その場で購入できるアイテムもご用意しました。
三越の商品と一緒にディスプレーすると、ぐっとシックな雰囲気になり気分も盛り上がります。
今回モチーフとしてお借りしたのは、伝統的な染色技術に用いる伊勢型紙です。
実はHappyFabricは失われつつある伝統的な繊維産業の柄などを収集し、サイト上にデジタルアーカイブの機能を持たせることを構想してきました。今回はそのデジタルアーカイブを利用したデジタルプリント・サービスのトライアルとして企画しました。
例えば今回お借りした伊勢型紙は立命館大学のアート・リサーチセンターの型紙データベース上にあるものです。このセンターでは様々なデータベースを公開していますが、この伊勢型紙もその一つ。サイト上の説明を引用させていただくと、
型紙には、多種多様なデザインに加え精緻な文様が表現されており、染色技術や服飾意匠を知る上で貴重な資料となります。
とのこと。
実際にお邪魔して型紙の原本を拝見させていただきましたが、驚くほど精緻なものでした。
今回の企画では立命館大学からではありませんが、型紙の本物をお借りし、実際に見ていただけるようにもしました。
この繊細さが伝わるでしょうか??私も実際拝見しましたが、とても細かいんです。
さらに錐彫りと呼ばれる技法を用いると1cm四方に100個の穴をあけることも可能だとか!!職人技にびっくりです。
実際のデータは下のようなもので型紙を高精細のデジタル写真として撮影したものです。
斬新なこうもり柄や、恐ろしく繊細な点描の千鳥の柄などがあります。
とてもハイクオリティなため、図柄の研究などに役立てるためには十分なのですが、実際にパターンとして布に印刷するには、柄の歪みや欠けを補修しなくてはいけません。
今回お客様に使用していただいた柄も、修正した上、パターンとして利用できるように柄に送りをつけられるように加工しました。小柄は全面にプリントできるようにしてありますが、大柄のものは着物の幅以上に加工することは難しいため、一方向にのみパターンが繰り返されるようになっています。
筆者も早速体験してみました。
データの作成方法はとても簡単で、白黒のモノクロームのデータを、二色に展開してくだけ。
データの色が完成したら、こちらでご用意した10種類のアイテムからお好きなものを一つチョイスしてプリントをオーダーすれば出来上がりです。
上記のようなアイテムはその場で持ち帰りOK。プリントに時間がかかる布以外は、その場でUVプリントできるのもテンションが上がります。
今回使用させていただいたアプリケーションはトヨシマビジネスシステムさんのデザインソフトウェア4Dbox PLANSというもの。今回は地色と柄の色をそれぞれ色相環から選んでいきます。どんな色でも作れるので、可能性は無限大。
楽しさのあまり、延々と色の組み合わせを変えて遊んでいられそうです。
例えばこんな感じから。
こんな感じに変えてみたり。
スタッフの説明を受けてから作業できるので、初めての方でも難なく素敵な配色のアイテムを作ることができたみたいです。
プリントはミマキエンジニアリングのUVインクジェットプリンターで!
できあがり!伊勢型紙ならではの小紋を渋い色味で、かなり小柄にしてiPhoneにプリントしてみました。
色も鮮やかで満足!!
男性のお客様も。
渋い色味で、カードを作成されていました。
今回の展示には三越アーカイブより歌舞伎衣装のモチーフもお借りしました。
なんとこちらもご自由にプリントしていただけたのですが、大好評。艶やかな多色柄は見ているだけでうっとりです。
fabcrossさんのご協力で実現したこの企画ですが、やはり伝統的な技術を新しいテクノロジーで活用可能な形にするのはわくわくしますね。展開するアイテムを工夫すればさらに楽しいものになりそうと思いました。
今後もこんな風に楽しい企画を展開していきます。
乞うご期待!
ご協力会社さま、ありがとうございました。
Collaborated by
新しいものづくりを応援するメディア「fabcross」
Supported by
デザインソフトウェア4Dbox PLANS「トヨシマビジネスシステム」
UVインクジェットプリンター「ミマキエンジニアリング」
※今回のイベントは「HappyPrinters 原宿」名義で出展しました。