服やカーテンなど生活の中にあるさまざまな生地は、普段何気なく洗濯表示を見て洗っていると思います。
HappyFabricで印刷した布については”品質表示について”の記事にまとめてありますが、そもそもこういう表示ってどうやって決めているかご存知でしょうか?
糸や生地などの繊維製品の品質を調べるには、それらを専門に扱っている第三者の評価機関があります。
今回はHappyFabricのメンバーで試験場に行き、デジタル印刷ファブリックの色落ちなどの検査をお願いし、見学もさせてもらって来ました!
生地や糸の性能を評価してくれる試験場ニッセンケンとは
HappyFabricの布地は、ポリエステルが愛知県一宮、綿が長野県東御市のデジタル染色工場でプリントしています。
今回は一宮にある一般財団法人ニッセンケン品質評価センター(以下:ニッセンケン)に行ってきました。
ニッセンケンは糸や生地などの繊維製品に特化して、素材の安全性や品質をチェックしている第三者機関です。国際的な試験所認定の基準であるISO/IEC 17025の要求基準に適合しているので、正式な検査結果として扱うことができます。
みなさんに身近なアパレル衣料などの品質検査も行われていて、洗濯に関する検査機器だけでなく、さまざまな検査機器があって驚きました。今回はまさに“生地博士”な雰囲気の方に案内してもらいました。
仕事ですが、気分は大人の社会科見学です。いつも身の回りで使っているものが、こうやって費用をかけてちゃんと検査しているという裏側をみると説得力が増しますね。
洗濯と摩擦に強いかを調べる
今回はデジタルファブリックの洗濯表示に必要な検査をお願いしました。
他にも「子供用に使えるか?」という質問も多く寄せられるので、ホルムアルデヒド試験もすることに。
試験としては下記の5種をお願いしました。
- 摩擦堅牢度(染色堅牢度〔摩擦〕)
- 洗濯堅牢度(染色堅牢度〔洗濯〕)
- 遊離ホルムアルデヒド
- 寸法変化率
- ドライクリーニング
染色堅牢度〔摩擦〕→生地が摩擦に強いか
かばんやズボンなどで、使っているうちに擦れて色が落ちてくることがあると思います。ジーンズならかっこ良く色落ちしたりすると思いますが、淡色の服に色が付き嫌な思いをしたこともあるかもしれません。
摩擦堅牢度試験は白い布に乾いた生地と濡れた生地をそれぞれ擦りあわせ、白い布にどれだけ色が移るかを検査する試験です。乾燥試験と湿潤試験の2種類を行います。下地に白い生地を、上に10cmくらいに切った試験布(プリントした布)を設置。2Nの荷重をかけ、毎分30回往復の速度で100回往復摩擦して汚染の程度を判定してもらいます。
染色堅牢度〔洗濯〕→洗濯で色がどれくらい落ちるか
続いて洗濯堅牢度試験です。
対象の布に白い布をあわせてから洗濯石鹸を入れて専用の機械に入れて回します。洗濯が終わった時に白い布に対象の印刷物の色が移って(移染して)いないかを判定します。
ボーケンさんの動画より
ホルムアルデヒドの検査で子供にも安心か調べる
ホルムアルデヒドは形状記憶加工や染色印刷する場合に含まれていることがありますが、これが残っていると有害なので国が規制している物質の一つです。
HappyFabricの生地で赤ちゃんのおくるみやスタイなどを作ったりしても安心かどうかを調べます。この試験もボーケンさんの動画がわかりやすいですね。
他にもいろいろな試験機があります
ほかにもこれは光にどれくらい強いかを調べる試験機で、強い紫外線を当てて染色がどれくらい退色していくかを調べます。
扉を開けると発光体が現れます。
次に現れたこの機器は、、、、普通の洗濯機と乾燥機です(笑
これは洗濯で寸法がどれくらい縮むかを調べるので、普通に家庭用の環境で洗って寸法を確かめます。洗剤も銘柄が決まっているそうで、なにか試験室っぽくて納得してしまいました。
他にも化学物質を調べたりする機械や、何に使うか全くわからない機械もいっぱいありました。
安心してデジタルファブリックを使ってもらうために
こうやって試験したものを国際的な企画に則って判定してもらい、検査結果が発行されます。
費用はかかりますが、購入していただく皆さんに安心して使ってもらえるプリントを提供していくために、きちんと公開できるデータとして必要な試験です。
検査結果は別の記事にまとめています。ぜひご覧ください。
HappyFabric製品の品質表示について