綿ブロードの生地が変わります。そしてちょっと業界の裏話。

いつもHappyFabricをご利用いただきありがとうございます。今日は生地のマイナーチェンジのご案内です。

綿ブロードの風合いが若干変わります

綿ブロード生地のロットが変わるにあたり、晒し(布の漂白)の蛍光剤が変更になりました。これにより若干の風合いが変わります。

変更という言葉を使いましたが、いわゆる生地変更ではなく、綿ブロードの品番としては今までと同じもののため、変更後の生地サンプルなどは制作いたしませんが、今までのものと並べてみると生地の白度がわずかに変わっております。

いままでの綿ブロードの白は少し青味を感じる白だったのが、新しいロットでは青味が抑えられています。とはいえ、新旧の生地を並べて見ないとわからない程度です。また太陽光ではほとんど感じないのですが、蛍光灯の下だと少し違いを感じます。

これにより、リピートでご注文いただく場合に前回の綿ブロードと少し色合いが変わる可能性がございますが、今回の変更につきましては仕様変更という扱いではなく、製品改良のため予告なく変更されるものですので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

そもそもなぜ変わってしまうのか?

ところで…生地業界(繊維業界)の常識は、HappyFabricユーザーのみなさまに理解していただけるのだろうか?
今回のご案内を書いていて、ふと心配になりました。そこで今回は繊維業界の話に少し触れてみたいと思います。

HappyFabricで使っているようなプリント用に作られた白い生地のことをP下(ぴーした)と呼びます。インクが均一に定着し、美しく発色するように、精錬漂白されている生地です。

生成(きなり)という言葉を聞いたことがある方も多いと思いますが、綿花から作られる生地は精錬漂白しないと黄味がかった色ですし、植物カス等の黒い粒々も残っています。それではプリントの仕上がりが生地の状態に左右されてしまうため、薬剤を使って精錬(不純物を取り除く)漂白(色物質を分解除去する)をして品質を一定にするのです。

そもそもP下を含めた「生地」というのはどのように作られるのか、簡単にフローにしてみました。

このようにとても多くの工程があり、このそれぞれの工程(工場)で日々、薬剤や機械の設定などの工夫や改良が行われています。そして今回の綿ブロードの蛍光剤変更も、そのひとつなのです。

実は私たちも事前に知らされるわけではなく、卸売商社さんからの購入時に初めて知るため、みなさまに事前にお伝えすることができないのです。(場合によっては商社さんからもまったく知らされないこともあります…これは商社さんの職務怠慢ではなく、予告なく変更するレベルの内容だからです)

HappyFabricの工場で保管されているP下生地たち

繊維業界では「ロット違い」という言葉が一般的に使われますが、ロットが変わると生地の色味や縮み幅などがわずかに変わることは普通のことと認識されています。
(ロットとは同じタイミングで作られる生地のことで、1ロットは数百メートルから千数百メートルです)

しかし繊維業界の常識だからと思っているだけでは、ユーザーのみなさまから信頼されるサービスは作っていけないと考えています。できるだけわかりやすい言葉で情報を出していくことを、積極的に行いたいと思います。

また、今回このような記事を書いてみて、まだまだ布がプリントされるまでの工程で知らないことがたくさんあることに気付きました。今度機会があったら、それぞれの工程を取材してみたいものです!
どんな工程を経て、そしてそこにどんな工夫や苦労があるかを学び、HappyFabricを利用してくださるみなさんにもお伝えできたらと思っています。

みなさんからの布プリントについての疑問質問もお待ちしています。
今回の綿ブロード変更についてのお問い合わせがございましたらサイトのお問い合わせフォーム、またはメールにてご連絡ください。


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